戦争により発見されたブルーベリーの効果
第2次世界大戦時のイギリス空軍に、ブルーベリーを毎日毎日、欠かさずに食べるパイロットがいました。
ブルーベリージャムが好きだったとも、実家の母親が送ってきたとも言われていますが、とにかく空戦での生還率は非常に高いものでした。
そして、そのパイロットは同僚に『暗い空の飛行でも、敵の飛行機が良く見える』という内容の話をしていたそうです。
そこで、そのパイロットの発言に興味を持った当時の学者たちが調べた結果、『ブルーベリーには眼精疲労の軽減と、夜盲症患者に効果がある』事を突き止めました。
アントシアニンが疲労回復に効果あり
より詳しく調べていくと、ブルーベリーに含まれる「アントシアニン」が、網膜の上にある「ロドプシン」の再合成を助けている事が分かりました。
光りを脳に伝える「ロドプシン」
「見る」という行為は、目(網膜)に入ってきた光(映像)が脳に伝わる事で行われています。
ロドプシンは、この『光を電気信号に変換する』という重要な役割をしているタンパク質で、網膜上に無数に存在します。
つまり、ロドプシンが働かないと、全ての映像が脳まで伝わらず、目が見えないという事になってしまいます。
眼精疲労とは、ロドプシンが壊れている状態の事
このロドプシンは『光を電気信号に変える時に一度分解され、再び再合成する』というサイクルを繰り返しています。
しかし、PCやスマホのディスプレイを見続けるなど、光の情報が増え続けると、分解のスピードに対して再合成が間に合わず、ロドプシンがどんどんと減っていきます。
ロドプシンが減れば、映像がちゃんと脳へと伝わらなくなり、物がボケたりかすんで見える。
つまり、眼精疲労はロドプシンの減少によるものとも言えます。
アントシアニンはロドプシンを再合成する
そんな壊れていく一方のロドプシンを助けるのがアントシアニンの力。
アントシアニンは、ロドプシンに働きかける事で『再合成』を促進する働きをします。
パイロットはロドプシンが多かったから、夜でも目が見えた
ロドプシンが多いという事は、それだけ多くの光を電気信号に変える事ができるという事です。
つまり、冒頭のパイロットは少ない光からの情報を100%脳に伝える事で、夜の暗い空の上でも敵の飛行機をはっきりと見ることが出来たのでしょう。
アントシアニンの摂取量とタイミング
ブルーベリーに含まれるアントシアニンが、眼精疲労の回復に効果がある事は分かりました。
それでは、疲労回復の効果を受けるのに必要な量や、効率よく摂取するタイミングはないのでしょうか?
1日の必要量は120㎎
アントシアニンの摂取量は、1日120㎎以上が目安とされています。
たとえ食べ過ぎても、アントシアニンは水溶性で、余分な分は排出されるので副作用の心配はありません。
また、熱にも強いので、ジャムや調理した物からでも問題なく摂取できます。
ちなみにこの120㎎を生のブルーベリーから摂取する場合、だいたい20~30粒程度。
ジャムからでは、大さじ2杯以上が必要な計算になります。
効果が発揮するまで4時間
アントシアニンが疲れ目に効果をだすのは、摂取してから4時間後。効果時間は24時間です。
仕事でパソコンを使っているのなら、その時間から逆算し、摂取するのがいいでしょう。
ただし、効果があるのは1日の間だけ。
しかも体内に蓄えておくことが出来ないので、毎日取り続ける必要があります。
続けるならサプリメントが現実的
毎日20粒のブルーベリーは厳しいですし、大さじ2杯のジャムを食べ続けるのはカロリーが不安になります。
そういった場合は、市販のサプリメントを利用して、賢く取り入れていきましょう。