眼精疲労を簡単に治す方法がTwitterで拡散
昨年2014年11月、Twitterで眼精疲労を簡単に治す方法がつぶやかれ、瞬く間に、イラストを趣味・仕事とする人々を中心に広く拡散されました。
大量リツイートされたつぶやきなので「とっくに知ってる」「もう試した」という方も多いかもしれませんね。
今回は改めてその方法について掘り下げてみようと思います。
その方法とは?
いぬひろ Inuhiro @inuhiro85 さんのツイート
「眼精疲労には、生卵二個とお酢と醤油を混ぜて飲めば一発回復だ!」 っと、絵描き仲間に教えてもらい、飲んでるんだけど まじ一撃で効く! ポン酢で飲むと美味しい。酢を入れることで中和されて太らないそう。 ご飯にかけても美味しい。
引用元:https://twitter.com/inuhiro85/status/537726932586987520
なぜ卵が眼精疲労に効くのか?
卵は、生命体が生まれ、育つまでに必要な環境が整った、ひとつの世界ともいえます。
殻の内部でヒヨコを形成するわけですから、栄養が非常に豊富です。
そんな豊富な栄養分のなかでも、眼精疲労の軽減にあたって注目される成分が、ビタミンA。
ビタミンAが不足すると、夜盲症・乾燥眼炎など、目に関係する疾患を発症する危険性があります。
このことからも、ビタミンAが目に必要な栄養素であることがご理解いただけるはずです。
ビタミンAに属する成分には「レチノール」「レチナール」「レチノイン酸」などがあります。
眼精疲労の回復に最も貢献する成分が「レチノール」。
卵は、このレチノールを特に豊富に含んでいるのです。
眼精疲労の回復に最も貢献する成分が「レチノール」。
卵は、このレチノールを特に豊富に含んでいるのです。
なぜ生なのか?
ビタミンAは、熱で壊れやすく油に溶けやすい栄養素です。
卵を加熱調理してしまうと、せっかくの眼精疲労に効く成分が失われてしまいます。
そのため、生卵を「飲む」という選択肢が提案されているのです。
そして、生卵を飲みやすくする味付けとして、ポン酢がオススメされています。
どうしても生卵を飲むことができない方は、卵かけご飯を試してみましょう。
ツイート主も「ご飯にかけても美味しい。」と締めくくっています。
卵以外の食品を同時に摂取してはいけないということはありません。
加熱さえしなければ、壊れることなくビタミンAを摂取できるのです。
そして、生卵を飲みやすくする味付けとして、ポン酢がオススメされています。
どうしても生卵を飲むことができない方は、卵かけご飯を試してみましょう。
ツイート主も「ご飯にかけても美味しい。」と締めくくっています。
卵以外の食品を同時に摂取してはいけないということはありません。
加熱さえしなければ、壊れることなくビタミンAを摂取できるのです。
酢の効果とは?
酢には眼精疲労の回復に直接的な影響力はありません。
発端となったツイートには「酢を入れることで中和されて太らないそう。」とあります。
前述したように、卵はとても栄養価の高い食品です。
そのため、摂取量が多くなることによるコレステロールの急上昇・肥満などの不安が予測されます。
ツイート主は、その回避策として酢を提案しているようです。
卵は、確かにコレステロール値の高い食品。
しかし、食品から摂取したコレステロールが全て人間の体内に取り入れられるわけではありません。
卵には、体内で作り出されるコレステロールの量を増やす作用はないのです。最近の研究では「あまり神経質に卵の摂取を制限する必要はない」ともいわれています。ポン酢の効果は、生卵を飲みやすくする味付けであると考えるのが良いですね。
飲みすぎに注意!
どれだけ体に良い成分であっても、過剰摂取は良くありません。例えば、薬品の業界には「薬は全て毒である」という言葉があります。
その薬品が「どれくらいの量を飲むと、どのような効果が出るか?」を、人間が把握してうまく使っているだけであって薬だからといって「無条件で体に良いもの」ではないのです。
使い方を間違えれば、副作用の方が強く出てしまい「毒」となりうることは、皆さんもご存じの通りです。薬品ほど大きな効果・影響があるわけではありませんが、食品から摂取する栄養素にも同じことがいえます。
それぞれの栄養素には、過剰摂取となる上限のラインが定められていて、それを超える量を摂取すると、体に悪い影響が出てしまうものなのです。
もちろん、そのことはビタミンAにもいえます。
ビタミンAの過剰摂取による弊害とは、頭痛・嘔吐(おうと)・疲労感・食欲不振・めまい・下痢・鼻血などです。
普段発症しても特に原因を追究しようとまでは考えない、日常的な体調不良の症状が、多く見られます。ビタミンAの過剰摂取による弊害とは、頭痛・嘔吐(おうと)・疲労感・食欲不振・めまい・下痢・鼻血などです。
そのため「生卵の飲みすぎでこうなった」とは自覚できません。
栄養の摂取のしかたは、目的の効果を出す栄養素を狙いすまして大量摂取すれば良いというものではなく、全ての栄養を必要量ずつバランスよくとり続けることが大切です。
サプリメントで代用するなら?
「レチノール」という名称で探しても、サプリメント製品はなかなか見つからないと思われます。レチノールをサプリメントから取り入れたいなら「ビタミンA」のサプリメント製品を探しましょう。ただし、前述のようなビタミンAの過剰摂取を原因とする弊害も考えられます。
サプリメントは特定の栄養素を集中的に摂取することを目的とした製品。
そのため、通常の食事による摂取よりも過剰摂取に陥りやすいのです。
「普段の食生活では、明らかにビタミンAが不足している」と判断できる場合にのみ、サプリメントによる補給を考えるようにしましょう。
即効性ではない
食事法は即効性を期待できる方法ではありません。口から入ったビタミンAが目まで届き、効果を発揮するまでにはタイムラグがあります。
「今、眼精疲労がつらい!」という時に「卵を飲めば即解決!」とはいかないのです。
生卵を使った眼精疲労の改善方法は、慢性的に目を酷使する習慣のある方が、普段から意識的に生活に生卵を取り入れるという活用法がオススメ。
情報元のツイートでは「まじ一撃で効く」とありますが、これはプラシーボ効果が乗ったためではないかと見ています。
プラシーボ効果とは、信じる心・思い込みのチカラです。
毒にも薬にもならない錠剤を、医者が「よく効く薬です」と言って処方したところ、本来なら何の効果も得られないはずが、症状が改善したという話をよく聞きます。
それは、「よく効く薬である」と信じて飲んだことで、心理的な作用が働いて良い効果を生み出したと見られ、この現象をプラシーボ効果と呼ぶのです。
毒にも薬にもならない錠剤を、医者が「よく効く薬です」と言って処方したところ、本来なら何の効果も得られないはずが、症状が改善したという話をよく聞きます。
それは、「よく効く薬である」と信じて飲んだことで、心理的な作用が働いて良い効果を生み出したと見られ、この現象をプラシーボ効果と呼ぶのです。
サンマにもレチノール
ビタミンA、レチノールは生卵の独自成分というわけではありません。他にもレチノールが含まれる食品は存在します。
例えば大衆魚として広く親しまれているサンマ。
ただし、前述したようにレチノールは熱で壊れてしまいます。
サンマのおいしい食べ方といえば、やはり焼き魚・煮魚を思い浮かべるところですよね。
しかし、眼精疲労の軽減のためには、お刺身でいただく必要があります。
スーパーなどで生サンマを購入して自宅でさばく場合には、必ず「生食用」と記載のあるものを選びましょう。
記載のない生サンマは、生食しても良いかの確認を必ずしてください。スーパーなどで生サンマを購入して自宅でさばく場合には、必ず「生食用」と記載のあるものを選びましょう。
また、サンマには食中毒を引き起こす危険な寄生虫「アニサキス」がついている可能性があります。
熱で無害化できるアニサキスですが、サンマに加熱処理を施すとレチノールも壊れてしまうことは前述した通りです。
そこで、アニサキスを無害化するもうひとつの方法「冷凍」が役立ちます。
マイナス20度の冷凍状態を24時間以上継続することでも、アニサキスを無害化できるのです。
マイナス20度の冷凍状態を24時間以上継続することでも、アニサキスを無害化できるのです。
これなら、レチノールを壊すことなく、安全なサンマのお刺身をいただけますね。
ここまで手間をかけるなら、素直に生卵を選択した方が楽そうではありますが・・・。
レバーにもレチノール、でも…
レチノールが含まれる食品には、他に鶏レバー・豚レバー・牛レバーなどがあります。鶏肉・豚肉などはもともと生食を避ける文化がありました。
唯一、生レバーを食べる文化のあった牛レバーですが、2012年以降、生食が食品衛生法により禁じられてしまいました。
眼精疲労の改善のためにレチノールを摂取する選択肢から、レバーは完全に除外されてしまったと言っても過言ではありませんね。
アルコールに注意!
「酒は百薬の長」というとおり、アルコールは決して悪者というわけではありません。適量を飲むことで、良い効果を得られる可能性を秘めた、ある意味「健康飲料」ともいえます。
しかし、レチノールに活躍して欲しい場合には、アルコールの摂取のしかたには気をつけたいところです。
アルコールは体内で、食品から摂取したビタミンAが働くジャマをします。
眼精疲労の改善を目的とした生卵摂取の前後には、アルコールの摂取は控えましょう。
とはいえ、まる1日の完全な禁酒をする必要は、ありません。
飲んだ生卵の栄養を、体が取り入れるまでの間だけ、アルコールをガマンをする。
それだけで良いのです。
アルコールは、量とタイミングに気をつけて楽しみましょう。
眼精疲労の改善を目的とした生卵摂取の前後には、アルコールの摂取は控えましょう。
とはいえ、まる1日の完全な禁酒をする必要は、ありません。
飲んだ生卵の栄養を、体が取り入れるまでの間だけ、アルコールをガマンをする。
それだけで良いのです。
アルコールは、量とタイミングに気をつけて楽しみましょう。
おわりに
いかがでしたか?Twitterで話題になった眼精疲労の改善方法に「本当に効くの?」「どうしても生で飲まなきゃダメ?」と、疑問や不安を感じた方も多かったことと思います。
「どうして効くのか」「他にどんな方法があるのか」などなど、さまざまな方向から分析してみました。
既に知っていた方・実践してみた方にも、今回、初めて知った方にも、楽しんでいただければ幸いです。