VDT症候群が目に現れた場合について
VDT症候群という言葉をご存知でしょうか?「VDT」とは、「ビジュアル・ディスプレイ・ターミナル」の略で、パソコンや携帯電話などのディスプレイ機器のことを指します。
パソコンや携帯を長時間使用することによりさまざまな不調が出ることがあり、その症状をVDT症候群と呼びます。
これには大きく分けて3つの不調があります。
まずひとつめは、目に関する不調です。
これは、「IT眼症」とも呼ばれます。
ふたつめが体に起こる不調で、もうひとつが精神面に起こる病状です。
まず目に起こる症状としては、目の疲れをはじめ物がかすんで見えたり、ドライアイや、ひどくなると視力の低下や角膜炎などにつながります。
コンタクトレンズをはめていると特に、目が乾燥して涙が出にくくなり痛くなってくることがあります。
パソコンや携帯の液晶画面は、モニターからブルーライトという光が発光します。
ブルーライトを長い時間見続けることは目に刺激を与えます。
また薄暗い部屋であれば尚更、見ようとする負担が目に働き、眼精疲労がひどくなります。
光が反射してもよくありません。
目の不調を予防するためには、電気や光の加減対策も必要です。
今はブルーライトから目を保護するための、パソコン専用メガネなどもありますので、そういった物を使用するのもひとつの予防策です。
携帯やパソコン作業が身体に及ぼす影響について
次に、身体に起こる症状です。
まず携帯を長時間使用している場合に多い症状が、指のしびれや痛みです。
メールの打ちすぎで起こることもありますが、これがひどくなると首や背中の痛みにもつながります。
また、パソコン作業においては、非常に多いのが肩こりです。
パソコン作業というものは、まず同じ姿勢をずっと続けることが多く、さらにパソコンを置いている台の高さや椅子の高さなどによっても、無理な姿勢を知らず知らずのうちにとっていることもあります。
そしてさらには、頭痛が起きたり、気分が悪くなって画面を見ることができなくなり吐き気をもよおすといった症状まで起きてしまうこともあるので、注意が必要です。
体にできるだけ負担をかけないためには、まず、パソコンを置くときには視線がやや下向きになるように、机や椅子の高さに工夫をすることが大切です。
そして椅子には深く腰掛けるようにします。
とてもよくないのは、自分の膝の上にノートパソコンなどを置いて作業をする場合です。
この姿勢は明らかに猫背になり、首がとても痛くなりますし、無理な姿勢なので長時間続けることはよくありません。
時々休憩を入れて、適度にストレッチ運動などを取り入れることも大切です。
肩をぐるぐる回したり、首を動かしたりしてみましょう。
手遅れになる前に、適度な休憩を取るなどの予防策を
そして3つめに挙げられるものが、精神的に起こる症状なのですが、ずっとディスプレイ画面を見続けて同じ姿勢を続けることにより、まず血流の流れが悪くなります。
そうすると、脳が酸素不足のような症状に陥ります。
あくびが出たりするのは、これが原因ですが、その状態がずっと続くと、イライラや不安症状が現れます。
ひどくなると、欝状態にもつながります。
また、女性の場合には、生理不順や流産につながることもあるので、気を付けなければいけません。
特に、パソコン作業が思うようにはかどらなかったり、パソコン上でトラブルが起きたりすると、作業を行う上でのストレスも大きくなります。
このストレスは予想以上に心身に悪影響を与えてしまうので、注意しましょう。
いずれの症状も、まず携帯やパソコンで作業をする場合には適度に休憩を取り入れるということで、予防ができます。
子供たちが携帯などでゲームをする場合にも、必ず休憩を取るように注意を促しましょう。
無理な姿勢にならないような工夫や、明るさの調節、そして部屋が乾燥しないように加湿器などを使用したり、パソコン専用メガネを取り入れたりすることで、VDT症候群にかからなくて済みます。
手遅れになる前に、もう一度自分の状態を見直すことが大切です。